柿の専門

第六話 夢を叶えてくれた「郷愁の柿⑱」

商品紹介

「息子も跡を継いでくれるようになったわ。ありがとう」

「世界に通用する究極のお土産」コンテストの受賞報告に社長が担当した社員と一緒に農家さんにあいさつ回りに行ったときにいただいた言葉です。
「柿の専門」の社是「地域に必要とされる企業」の理念を現実にできたのかもしれない。
あきらめなくて、本当に良かった。嬉しい、嬉しい言葉でした。

受賞後、「郷愁の柿」を値上げしました。
社内からは「受賞した後に値上げって、やらしくないですか?」という声もありました。

でも、法連坊柿は樹高が高く、収穫には危険が伴います。収穫後、つるし柿にする作業も寒い中、一つ一つの柿を手作業でむいてつるす大変な作業です。当時の社長(先代社長)は「農家さんが続けたいと思う価格で仕入れて、より良い商品を作る」と言って値上げを決めました。

「世界に通用する究極のお土産」のお墨付きの効果は大きく、百貨店のお歳暮などの引き合いなどもあって「郷愁の柿」は受注生産から念願の通常生産になりました。

また、雑誌やテレビでも取り上げられて、「柿の専門」の看板商品となっていました。

そして、さらに大きな波がやってきます。
2015年、全国放送されているテレビ番組「スッキリ」で「郷愁の柿」が紹介されたのです。

たしか、母の日のプレゼントの企画だったと思います。

MCの加藤浩次さんが「美味しい」と言って食べてくれた上に、コメンテーターの湯山玲子さんがグルメの間では有名だというようなことをコメントしてくださいました。

放送後、注文が殺到して通販のサーバーはダウン。

どんどん入ってくる注文で、あっという間に母の日前のゴールデンウィークは製造の予定でいっぱいになりました。

社員一丸となって連休中もフル稼働。作れるだけ作って出荷し「完売御礼」となりました。

長年かけて育ててきた商品が巣立ったような感覚だったと社長は振り返ります。
「こんな感じで一つずつでいい、商品を長年かけて完成させていこう。商品開発は始まりに過ぎないんだ」。「郷愁の柿」は社員一同に勇気と自信を与えてくれたのです。

「郷愁の柿」終わり。 最後まで、読んでいただきありがとうございました。

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