柿の専門

農園とブランド化(農園③) 19

 柿の専門の柿畑。当初、有機JASの柿の葉の栽培だけを目的としていたが、予想外なことが起こった。放棄地を買ってほしいという人が意外と多かったのだ。本来、農家は先祖から受け継いだ土地を売らないと思っていた。信用できない相手に販売してしまうと産業廃棄物をほかされたりして近所に迷惑をかけてしまうので、売ることに慎重なのだ。しかし、柿の専門の事業を理解していただいたことと、石井勲のおかげで信用していただいたと聞いている。信用していただいた方を裏切ることはできないので、農地を売ることなく、柿の木の栽培をして大切に農地を活用させていただきたいと思う。

 石井光洋(2代目)は、断らずほぼすべての畑を購入し合計で4ha(100m×400m)に及んだ。到底、柿の葉だけの収穫では採算が合わないので柿の実の栽培もすることになった。どうせするなら、柿の専門らしく”柿の加工に最適な柿の栽培”をすることを考えることにした。熟度・大きさ・糖度など作る製品に最適な条件で栽培すれば、製品もより差別化できると考えて、農作業の剪定、摘蕾、摘果の方法を再検討を行うなど、チャレンジすることが多くあり、冬の寒さ・夏の暑さなど苦労もあるが、夢のある場所となった。

 そうして育てた農園は、5年後には有機JASの認証、8年後には渋柿の完全自社栽培が可能となり、柿の専門のブランド化の一助となっている。

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