柿もなかは、柿をたくさん使ってできる特産品づくりを考え、本格的なお菓子作りの記念すべき一号商品だったのです。(柿加工品では6番)前編で肝心なことを書き忘れました。柿の専門の柿もなかは、白あんを使っていません。柿を炊き詰めて作った餡であることが最大の特徴です。完熟のペーストと食感を出すための角切りダイスを長時間炊き詰めています。角切りダイスも種のある富有柿をあえて使用し、人の手で種を取り除いて、角切りにしています。丁寧なものづくりの賜物です。
柿もなかができたのには、一つ大事なエピソードがあります。試作品の味をみてもらうために、通販会社B社の担当(Cさん)に送ったところ、「残業でひとりで10個食べてしまった」と言われた父は、これならいけると判断したそうです。この話も父の自慢話の一つでいつも柿もなかのことを語りだすと話すのでした。食通のCさんが言うなら間違いないと第三者の評価が欲しかったのでしょう。その思い込みから今の”柿もなか”につながるのですから、その言葉がなかったら、歴史が変わっていたかもしれません。
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