柿の専門

任せるとは? 10

③ひとづくり

父が網膜剥離で、柿の時期に手術が決まった。今から思うとこの時期に責任という意識に変化があった。
柿の仕入はしたことがなかった。父が仕入の量、価格を全て決めていたのだ。誰に電話して決めたらいいのか?さえも知らず、品質が悪ければ苦情を言わなければならない。すべてを任されるということの意味と責任が、甘やかされて育った私にはわからなかった。苦労を知らずに出来上がった会社に入社した私と創業した父との差は歴然としていたのだと思う。父には何度も電話をして聞いた。母もいてくれたので今から思うと大したことなかったことだと思う。柿の価格、品質、収穫量も今からするとずっと安定していた時期なので大きな問題は少なかったと思うが、緊張したことを覚えている。

 できてしまうと小さなことだが、未体験なことは大きな壁に思ってしまう。新しいことを依頼するときもよくおこることなので、当時の自分を思い出して”すべてを任せる”ようにしようと思う。任せることの本当の意味は、すべての責任を持たせて口出しせずに見届けることだと思う。任されることは、任されている自覚(責任感)を持っているかが重要となる。 

 父の網膜剥離で思い出すのは、祖父石井勲のことである。当時80歳ぐらいだったと思うが柿の時期にはいつも皮むきをしに来てくれていた。息子の分も頑張ってやろうと頑張ってくれたことをいつも思い出す。子供を思う気持ちをいつも思い出す。おじいちゃんありがとうね。感謝。

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