柿の専門

蜜珠柿の白い粉 24

 蜜珠柿や郷愁の柿の表面の白い粉のことですが、結論から言うと、柿霜(しそう)と呼ばれる糖分の結晶です。成分はブドウ糖・果糖。
 漢方でも干し柿の表面にうっすらと浮かぶ白い粉を、漢方では生薬・柿霜と呼びます。痰を消す作用もあるため咽喉痛や咳、口内炎の治療などに用いられています。
http://kampoguide.com/syoyaku/shisou.html(参考 私の漢方薬ガイドより)

 柿の専門では、柿の色を大切にしたいので、粉があまり吹かないようにしています。しかし、自然の力には勝てません。当店では、年中柿を提供させていただくために、長期間保管する間に表面に粉が吹くことがございます。

①なぜ、白い粉があるものとないものがあるのか?
 白い粉を吹かせたいときは、表面をこすります。すると数日して白い粉がでてきます。ということは、内部の糖分が表面に染み出してきて起こる現象(毛細管現象)です。その時の温度差、柿の糖度、乾燥具合で粉の出方は異なります。

②どちらがおいしいのか?
 表面を傷つけると出るので、どちらがおいしいとは一概には言えません。強制的に粉を吹かせるようにゴロゴロと転がす専用機械があるぐらいです。美味しさにはあまり関係なく長期間保管していると温度差で出てくるものです。見た目を統一させるために市田柿は機械にかけて粉を吹かせています。

③カビとの見分け方
 知らない方は、カビと間違えることがありますが、よく見るとカビは毛が生えているのでわかります。真白になっているとカビと間違えることもありませんが、真白になる途中は点で白くなり特に判断するのが難しいですが、基本的に粉が吹く干し柿の表面は糖度が高いのでカビははりにくいです。

長年柿を扱っていますと、いろいろなお客様がおられます。
 喘息の子供がいるので、真白な干し柿をたくさんほしいと言ってこられたお母さんもおられました。漢方としても有名なので、必死で探しておられたのだと思います。その熱意に、もちろん提供させていただきました。「母は強し」ですね。

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